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ここでは、木造住宅において代表的な工法の一つ、2×4工法のメリット・デメリットを紹介します。
2×4工法とは、2インチ×4インチの角材をベースに、耐力パネルを組み合わせてつくる北米由来の工法です。木造在来工法が柱と梁の「線」で支えるのに対し、壁をすべてパネルで構成するという「面」で支えているというのが、2×4工法の大きな特徴です。 カナダやアメリカの木造建築の9割が2×4工法といわれており、世界的にもメジャーな工法といえます。
耐震性の高さ、壁にパネルを使用した2×4工法は、線で支える在来工法に比べ水平にかかる力に強いとされています。地震の揺れ・台風の雨風による倒壊のリスクが少ないことが一つのメリットです。
2×4工法では石膏ボードを取り付けることが定められており、耐火性を高める工夫がなされています。また木造在来工法と比べ、パネルの設置によって室内に空気が入りにくくなっていることも耐火性が高いといわれる理由の一つ。実際に2×4工法で建てられた住宅は、火災保険が安くなる保険会社もあります(※)。
パネルが気密性や断熱性を高める役割を担っていることから、省エネ性も高いのが2×4工法のメリット。外側から、構造用面材、石膏ボード、断熱剤の順に施されています。柱自体も外気の影響を受けにくい性質を持つことから、室内の快適性もバッチリです。
省エネルギー性と同じく、壁が3段階で構成されている2×4工法は、木造在来工法に比べて遮音性にも優れています。
材料や施工手順が規格化された2×4工法では、どの家も同じ品質で建てることが可能です。水分含有率19%以下の乾燥材の使用、床材への防蟻処理、地盤面に防湿シートを漉き込むなど、耐久性が高まるよう工夫されていることも特徴の一つ。
間取りの自由度が低い木造在来工法と比べ、箱を組み合わせてつくる2×4工法では間取りの自由度が低いことがデメリット。将来的に間取りを変更する可能性が高い場合にはあまりおすすめはできません。
リフォームや増築なども、在来工法と比べて難しくなります。2×4工法のリフォームを手がけている会社自体が少ない他、面で支える構造上、部屋を広くするなどの手を入れにくいためです。
面でしっかり支える必要がある2×4工法では、大きな窓を設置したり、吹き抜けのある構造はやや苦手です。開放感を求める方や、外とのつながりを大切にしたい方には在来工法のほうがメリットが大きいでしょう。
耐震性や省エネ性のほか、耐火性にも優れているなどメリットがたくさんある2×4工法。一方で開放感のある間取りやリフォームは苦手な一面もあるため、メリット・デメリットを理解したうえで他の工法も検討してみるのも一つの手です。 住宅には他にもさまざまな工法があります。当サイトでも他の工法について紹介しているので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。
木造在来工法とは、日本に古くから伝わる伝統的な工法を元に、発展・簡略化させたものです。現代の木造住宅においてもメジャーな工法であり、木造住宅の多くが在来工法で建てられています。
2×6工法とは、2インチ×6インチの角材と耐力壁を使って構造をつくる建築方法です。木造建築の一般的な工法の一つに2×4工法がありますが、それをさらに強化したものと考えてOK。木造在来工法や2×4工法と比べ、強度や性能面だけ見れば優れた工法といえます。
ラーメン構造とは、柱と梁で組まれた骨組みを、接合部が離れないよう強力に接合する構造のことです。木造ラーメン構法で使用する部材は、柱と梁には集成材、接合部にはSE構法の提唱元である株式会社NCNが独自開発した、SE金物を使用します。