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ここでは、木造住宅の一般的な建築方法である、木造在来工法について紹介します。
木造在来工法とは、日本に古くから伝わる伝統的な工法を元に、発展・簡略化させたものです。現代の木造住宅においてもメジャーな工法であり、木造住宅の約半数が在来工法で建てられています(※)。
木造在来工法の特徴は、柱と梁を組み合わせ、家を「線」で支えることです。木造の工法でよく比較される2×4は耐力パネルを使った「面」で支えるため、構造的な部分で大きく異なります。
柱と梁で構成されている木造在来工法は、間取りを自由に決められることが大きなメリット。壁をどこに設けるかで部屋の数や広さを調整することができます。
間取が自由に決められることにも通じますが、家を建てた後の増改築がしやすいこともポイントです。例えば、家を建てて5年後、子ども部屋を作りたい場合に、壁を追加したり、家を増築したりすることも容易です。
反対に、10年後に子どもが家を出て行く場合にも、夫婦2人で生活しやすい間取りに変更することもたやすいでしょう。また木造在来工法に対応できる工務店が多いことも、増改築しやすい理由の一つです。
昔ながらの家に窓が多いように、木造在来工法は窓をたくさん設置できることもメリットです。特に開放的で自然とのつながりを重視した家づくりをしたい場合には、ぴったりな工法といえるでしょう。
木造在来工法は、使用する素材や職人の技術によって大きく差が出てしまう工法でもあります。特に木材は自然のもので1本1本形や性質が異なり、素材はもちろん地域の気候もよく知っていることが大切です。
近年では規格化された材料を使うことも多く品質が均一になりつつあります。それでも他の工業化された工法に比べれば、経験や技術が問われる工法といえるでしょう。
木造一戸建てを建てる際、木造在来工法では4〜6ヵ月ほどかかるのが一般的です。同じ木造建築でも2×4の場合は3〜4ヵ月で工事を終えることができます。木造在来工法は他の工法に比べると後期が長く、その分人件費も多くかかりやすいのが特徴です。
木造在来工法は、使用する材料や職人の腕によって耐震性までも左右されてしまうことがデメリットの一つ。木材の乾燥具合や柱の太さ、筋交いの量などによっても異なり、施工会社に依存している現状があります。品質が安定化された他の工法に比べると、耐震性の面で不安な部分も少なからず出てくるでしょう。
昔からある木造在来工法は、間取りを柔軟に変えられるなどのメリットの他、湿気の多い日本の気候に適しているというのも魅力ではないでしょうか。ただし腕の良い職人が施工してくれることが品質の良さ決め手になるため、依頼する会社はしっかり吟味する必要がありそうです。
住宅には他にもさまざまな工法があります。当サイトでも他の工法について紹介しているので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。
2×4工法とは、2インチ×4インチの角材をベースに、耐力パネルを組み合わせてつくる北米由来の工法です。木造在来工法が柱と梁の「線」で支えるのに対し、壁をすべてパネルで構成するという「面」で支えているというのが、2×4工法の大きな特徴です。
2×6工法とは、2インチ×6インチの角材と耐力壁を使って構造をつくる建築方法です。木造建築の一般的な工法の一つに2×4工法がありますが、それをさらに強化したものと考えてOK。木造在来工法や2×4工法と比べ、強度や性能面だけ見れば優れた工法といえます。
ラーメン構造とは、柱と梁で組まれた骨組みを、接合部が離れないよう強力に接合する構造のことです。木造ラーメン構法で使用する部材は、柱と梁には集成材、接合部にはSE構法の提唱元である株式会社NCNが独自開発した、SE金物を使用します。